コンクリート構造物を補修・補強する工法として「コンクリートに直貼する炭素繊維シート工法」が、近年数多く実施されている。
『NFKパネル工法』はコンクリートのひび割れ防止や剥落防止を目的として、連続炭素繊維シートによる覆工補強工法の特徴を生かして、繊維シート等の補強材を高強度・軽量、且つ耐久性に優れたパネル(成型版)とし、コンクリート構造物の補強を目的としたニュータイプの成型版補強工法である。
炭素繊維の目付量方向を変えることによって、補修・補強材としての要求性能に対応する。
NFKパネル工法は連続炭素繊維シート・フレキシブルボード・エポキシ樹脂が主材料となり、施工にはパネルを固定するためアンカーで仮固定し、コンクリート躯体表面にエポキシ樹脂を用いて炭素繊維パネルを一体化させ補強効果を発揮させる工法である。
また、炭素繊維シートを接着したパネルは靭性の高い防護材として、紫外線や火災から炭素繊維シートを保護します。長期的には、壁面より塩分等の鉄筋腐食因子の侵入を防ぐことから鉄筋構造物の耐久性向上に寄与します。
パネルの標準サイズは1000mm×2000mm×5.5mmを基準パネルとしている。
接合部は炭素繊維未含浸部分をお互い重ね合わせ、躯体との間に、他のものを介さず直接コンクリート躯体に含浸させることにより、繊維の連続性を持たせる構造になっている。その重ね合わせた上から高靭性ボードを保護パネルとして貼り付ける。
接合幅は繊維の重なりしろは、片側を100mmを標準としている。
品 名 | 種 類 | 特 性 | ||
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連続炭素繊維シート | 目付量 (g/㎡) | 設計厚さ (mm) | 引張強度 (N/m㎡) | 引張弾性係数 (N/m㎡) |
200×1方向 | 0.111 | 3400以上 | 245000 | |
フレキシブルボード | 厚さ(mm) | 曲げ強度 (N/m㎡) | 曲げヤング率 (N/m㎡) | 吸水率 (%) |
5.0 | 28.0以上 | 16×103以上 | 24以下 | |
FK含浸剤 | エポキシ樹脂 | 比重 | 引張強度 (N/m㎡) | 引張せん断接着強度 (N/m㎡) |
1.15±0.05 | 30.0以上 | 10.0以上 |